羽田空港の搭乗口の案内表示。クアラルンプール行きNH885の搭乗案内
特典の空席待ちで取ったNH885の搭乗口(2026年6月)

旅行で使うAIは、何をさせたいかで選ぶのがいちばん早いです。航空会社やホテルのサイトを開いて調べさせるならブラウザ操作のあるClaudeかChatGPT、GoogleマップやGmailと一緒に使うならGemini。長い規約を読ませるのは、どれも得意です。

マイルやホテルの特典で旅行していると、調べものの量が本当に多いんですよね。使い道ごとの3つのAIの違いと料金を、2026年10月の時点でまとめました。

3つのAIの違い(要点)
ブラウザ操作
Claude(Chrome拡張)とChatGPT(クラウドブラウザ)は有料プランから
Google連携
GeminiはChromeの横でマップ・Gmail・カレンダーと連携
長い資料
Claudeは1,000ページまでのPDF(100ページを超えると文字だけ)、Gemini(AI Pro)は1,500ページまで
有料の入口
Claude Pro 月20ドル(約3,200円)/ChatGPT Plus 月20ドル(約3,200円)/Google AI Pro 月2,900円
苦手なこと
古い情報、規約の細部、特典の空席の正確さ
目次
  1. 旅行でAIに何をさせるか
  2. Claude・ChatGPT・Geminiの違い(2026年10月時点)
  3. ブラウザ操作で航空会社・ホテルのサイトを調べる
  4. 長い規約やPDFを読ませる
  5. 写真・音声・翻訳
  6. 料金プラン
  7. AIが苦手なことと確かめ方
  8. 使い道別の選び方
  9. 入れてはいけない情報
  10. まとめ

旅行でAIに何をさせるか

マイルやホテルの特典で旅行するとき、AIが活躍するのはだいたい次のような場面です。

やりたいこと使う機能気をつけること
特典航空券の空席探しブラウザ操作・検索空席は公式で見直す
乗り継ぎの旅程づくり検索・長い文章乗り継ぎ時間と入国の要否
上級会員特典の確認規約の読み込みブランド・地域で違う
予約メールから旅程表文章の整理予約番号は消してから
現地の移動・翻訳地図・音声・写真時刻表は現地で確認

どの場面でも、AIは候補を集めて整理する係です。予約を決めるのは自分、と割り切って使うと失敗が減ります。正直、この線引きさえできていれば、AIはかなり頼れる相棒です。

場面ごとにそのまま使える頼み方は、旅行のAIプロンプト集にまとめました。

Claude・ChatGPT・Geminiの違い(2026年10月時点)

旅行で効いてくる機能を並べると、こんな違いがあります。

機能ClaudeChatGPTGemini
Web検索無料から無料から無料から
ブラウザ操作Chrome拡張(有料)クラウドブラウザ(Plus以上)Chromeで要約・比較
長いPDF1,000ページまで(100ページ超は文字のみ)プランとモデルで違う1,500ページ(AI Pro)
写真を読むありありあり
画像を作る料金表に記載なし無料は回数制限無料から
音声で会話ありあり(無料は上限)Gemini Live

長い規約やPDFを一度に読める量は、プランや選んだモデルによって変わります。

じっくり調べてくれる機能(Claudeの「Research」、ChatGPTとGeminiの「Deep Research」)は3社ともあります。Claudeは有料プランから、ChatGPTとGeminiは無料版でも回数を絞って使えます。無料でここまで使えるのは、ちょっと驚きでした!

ブラウザ操作で航空会社・ホテルのサイトを調べる

旅行でいちばん差が出るのがここです。特典航空券の空席やホテルの会員料金は、検索では出てこなくて、サイトを開いて日付を入れないと分かりません。カレンダーを何十日分も開いて見比べる作業は、正直いちばん疲れるところです。

AIは検索と表づくりまで、ログイン・支払い・予約の確定は人が行う役割分担のイラスト
AIは検索と表づくりまで、ログイン・支払い・予約の確定は人が行う役割分担のイメージ。イラスト(AI生成)
シドニー空港のラウンジのパタパタ式の出発案内板。CX110 HONG KONG ON TIME
シドニー空港のラウンジの出発案内(2026年8月)

Claude in Chrome

Chromeの拡張機能で、有料プランで使えます。自分がログインしているページを読んで、クリック・入力・フォームの記入まで進めてくれて、決めるところは人に任せる作りです。

購入やお金のやり取りは、許可の設定に関係なくClaudeはやりません。サイトごとに許可を出す設定もあるので、触らせるサイトを絞っておけるのは安心できるポイントです。

ChatGPTのクラウドブラウザ

  • 動く場所クラウド上の別のパソコンのブラウザ(「ChatGPT Work」の中で使う)
  • プランFreeとGoを除く有料プラン
  • ログイン止まって、専用のサインイン画面に自分で入力する(Plus・Proで段階提供。Enterprise・Eduはサイトへのサインイン対象外)
  • 予約の確定・支払いその前にチャットで確認を求めてくる

Gemini in Chrome

日本では2026年4月から、パソコン版のChrome(Mac・Windows・Chromebook Plus)で順に使えるようになりました。開いているページの要約や、複数のタブの比較表づくり、Googleマップ・カレンダーとの連携ができます。

AIが自分でページを操作する機能(auto browse)には、次の条件があります。

  • 場所米国にいること
  • 端末の言語英語
  • 契約個人のアカウントでAI ProかUltra
  • ブラウザパソコン版のChrome

2026年10月の時点では、日本はこのauto browseの対象に入っていないので、ここは少し残念なところです。

航空会社やホテルのサイトをAIに操作させるときは、ログイン・支払い・予約の確定は自分で行ってください。サイトの利用規約で自動のアクセスを禁止していることもあり、自動のブラウザからのアクセスを断るサイトもあります。各社の規約に従って使います。

ANA・JALの特典航空券の探し方と取り方は、ANA特典航空券の取り方とJAL特典航空券の取り方に書きました。

私自身は、2026年6月のNH885を特典の空席待ち40,000マイルで取りました(NH885 羽田→クアラルンプールのビジネスクラス搭乗記)。空席待ちが取れたかどうかはANAからの連絡で分かるもので、AIには分かりません。連絡が来るまでのそわそわは、AIではどうにもならないところです

ANAのビジネスクラスのテーブルに置かれたグラスのビールと、小鉢のおつまみ、袋入りのナッツバー
空席待ちで取ったNH885の機内で(2026年6月)

長い規約やPDFを読ませる

ホテルの会員規約や航空会社のマイレージの規約は長くて、特典の細かい条件はたいてい奥のほうに書かれています。ここはAIの得意分野で、いちばん助かっている使い方かもしれません。

ただ、特典の例外が別の条文に書かれていることもあります。なので、AIに該当箇所を探してもらったら、その前後の条件も自分で読むようにしています。

  • ClaudePDFは1,000ページまで、1回の会話に20ファイルまで(100ページを超えると図や表は読まず文字だけ)
  • Google(AI Pro)1,500ページまでのファイル

たとえばマリオットのプラチナで、ラウンジが閉まっているときに朝食が付くかどうかは、ブランドと地域で違います。私もマリオット プラチナエリートの特典の記事を書くときに規約で確かめました。

AIに規約を渡して「該当する条文をそのまま引用して」と頼むと、自分で原文を読む場所がすぐ見つかります。長い規約を頭から読まなくていいだけで、気持ちがだいぶ楽になりました!

JWマリオット香港の客室。キングベッド、デスク、青緑のチェア、角の窓
JWマリオット香港の客室(2026年8月)

写真・音声・翻訳

旅行先では、写真を読む機能と音声の会話が役に立ちます。メニューや駅の案内を撮って意味を聞いたり、ホテルへの頼みごとを英語にしてもらったり、という使い方です。

3社とも写真の読み取りと音声の会話があります。Geminiの「Gemini Live」は無料版から使えて、ChatGPTは無料版の音声に上限があり、有料プランで増えます。

ただ、アレルギーや薬のように間違えると困る話は、AIの訳を見せるだけで済ませず、相手に確かめてもらうほうが安心です。ここだけは慎重なくらいでちょうどいいと思います。

料金プラン

2026年10月の時点の料金です。ClaudeとChatGPTはドル、Googleは日本の料金ページの円で書いています。

AIプラン月額旅行で増えること
ClaudeFree0検索・音声
ClaudePro20ドル(約3,200円)、年払いは17ドル(約2,700円)Chrome拡張・Research
ClaudeMax100ドル(約15,800円)からProの5倍か20倍の利用量
ChatGPT無料版・Go0・8ドル(約1,300円)検索、Goは回数が増える
ChatGPTPlus20ドル(約3,200円)クラウドブラウザ
ChatGPTPro100ドル(約15,800円)から利用量が最大
Gemini無料0円Deep Research・Live
GeminiAI Plus725円利用量2倍
GeminiAI Pro2,900円1,500ページ・利用量4倍
GeminiAI Ultra14,500円から利用量が最大

ChatGPTのProは表の金額がいちばん下で、ほかに月200ドル(約31,600円)と500ドル(約79,000円)のプランもあります。アプリ内課金かWebかでも金額が変わり、国や支払い方法でも違ってくるので、契約前に自分の画面で確かめてください。

サイトを開いて調べさせたいなら、Claude ProかChatGPT Plusの月20ドル(約3,200円)が入口です。調べものと翻訳が中心なら、まずは無料版で十分だと思います。

AIが苦手なことと確かめ方

AIの答えは出典をたどって公式で確かめてから予約する流れのイラスト
AIの答えは出典をたどって公式で確かめてから予約する流れのイメージ。イラスト(AI生成)
香港国際空港のラウンジのテーブルとメニュー
香港での乗り継ぎ(2026年8月)

古い情報

AIは、改定前のマイル数や終わったキャンペーンを、今のことのように答えることがあります。ANAのSFCは2028年4月から2種類に分かれ、2026年9月29日にも中身が見直されました(ANAのSFC改定(2028年)の記事)。こういう直近の変更は特に外れやすいので、要注意です。

規約の細部

「上級会員はラウンジに入れる」のような大まかな話は合っていても、同伴者の人数、対象のブランド、閉まっているときの代わりの特典などを誤ることがあります。ラウンジの入室条件も変わりやすいところです。

空港ラウンジのテーブルに置かれたワンタン麺の器と、2つの小皿のたれ、れんげと箸
香港の乗り継ぎで入ったラウンジの麺(2026年8月)

空席の正確さ

特典の空席は数分で変わります。一般の検索だけでは、ログインして見る予約画面の空席までは確かめられないことが多く、「この便は取りやすい」という答えの根拠は過去の記事になりがちです。ブラウザ操作で見た結果も、あくまでその時点のものです。

確かめ方

  • 答えといっしょに出典のURLと、その情報の日付を出してもらう
  • 出典が公式サイトかどうかを見る。ブログやまとめなら公式で見直す
  • 規約は該当する条文をそのまま引用させ、原文を自分で読む
  • 空席・料金・時刻は、予約の直前に公式の画面で見る
  • 大事な話は、別のAIにも同じ質問をして食い違いを探す(答えが一致しても、正しいとは限りません)

ひと手間ですが、これをやっておくと、AIがそう言っていたのに、という失敗はほとんどなくなります。

使い道別の選び方

使い道選ぶなら理由
特典の空席を調べるClaude・ChatGPTサイトを操作できる
現地の移動GeminiGoogleマップと連携
規約・約款を読むどれでも長いPDFに対応
旅程表づくりどれでも表にまとめるのは得意
翻訳・音声どれでも3社とも音声あり

修行のように回数を重ねる旅では、運賃とポイントの計算をAIに表にしてもらうと楽です。私は2025年にJAL国内線に181回乗りました(ダイヤモンド修行の記録)。これだけ回数があると手計算はさすがに大変で、最後は航空会社の積算表で検算しています。

入れてはいけない情報

予約番号、会員番号、パスポート番号、カード番号、パスワードは、どのAIにも入れないでください。予約メールを貼るときは、その部分を消してからにします。

サインインはAIの会話ではなく、専用の画面で行います。ChatGPTには、会話をAIの学習に使わない設定が「データコントロール」にあります。ほかのAIも、使う前にプライバシーの設定を一度見ておくと安心です。

まとめ

特典航空券やホテルの特典は、条件が細かくて、しかもよく変わります。AIは候補を集めて整理するのがとにかく速いので、調べものの時間はかなり減らせます。

ただ、空席や規約の最後の確認は公式でするもの、と考えて使うのがいちばんうまくいきます。サイトを操作させたいならClaudeかChatGPT、地図と一緒に使うならGemini。まずは無料版で、自分の旅のスタイルに合うものを試してみるのがよさそうです。